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MOVIES
Introduction/Story

Introduction
映画「侍タイムスリッパー」は、「拳銃と目玉焼」(2014年)
「ごはん」(2017年)に続く未来映画社の劇場映画第三弾である。
幕末の侍があろうことか時代劇撮影所にタイムスリップ、
「斬られ役」として第二の人生に奮闘する姿を描く。
コメディでありながら人間ドラマ、
そして手に汗握るチャンバラ活劇でもある。
「自主映画で時代劇を撮る」と言う無謀。
コロナ下、資金集めもままならず諦めかけた監督に、
「脚本がオモロいから、なんとかしてやりたい」
と救いの手を差し伸べたのは他ならぬ東映京都撮影所だった。
10名たらずの自主映画のロケ隊が時代劇の本家、東映京都で撮影を敢行する前代未聞の事態。
半年に及ぶすったもんだの製作期間を経てなんとか映画は完成。
2023年10月京都国際映画祭で初披露された際、
客席からの大きな笑い声、
エンドロールでの自然発生的な万雷の拍手に関係者は胸を撫でおろしたのであった。
初号完成時の監督の銀行預貯金は7000円と少し。
「地獄を見た」と語った。

Story
時は幕末、京の夜。
会津藩士高坂新左衛門は暗闇に身を潜めていた。
「長州藩士を討て」と家老じきじきの密命である。
名乗り合い両者が刃を交えた刹那、落雷が轟いた。
やがて眼を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。
新左衛門は行く先々で騒ぎを起こしながら、
守ろうとした江戸幕府がとうの昔に滅んだと知り愕然となる。
一度は死を覚悟したものの心優しい人々に助けられ
少しずつ元気を取り戻していく。
やがて「我が身を立てられるのはこれのみ」と刀を握り締め、
新左衛門は磨き上げた剣の腕だけを頼りに「斬られ役」として生きていくため撮影所の門を叩くのであった。
Cast

高坂新左衛門役/山口馬木也
藤田まこと主演「剣客商売」で息子役秋山大治郎を演じて以来、数多くの時代劇をはじめテレビ、映画で活躍。
大河ドラマも常連の実力派俳優。
最近では時代劇「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」に鬼平の親友左馬之助役が記憶に新しい。
本作は役者生活25年で自身初となる長編映画での主演。
「インディーズ作品であるという戸惑いより、とにかく脚本が面白かった」と出演を快諾。
「この作品、この役との出会いに感謝。役者を続けてきて良かった」と語り関係者を泣かせる。
風見恭一郎役/冨家ノリマサ
国民的ドラマ「おしん」でデビュー後、テレビ、映画と幅広く活躍。特に時代劇へのゲスト出演が数多く印象に残る。
都会的でスマートなビジュアルと、芝居への情熱を併せ持つ本格派俳優。
「脚本が面白いんだ」と本作への出演を快諾。
物語のキーパーソンとなるキャラクターを熱く演じた。
自身の役柄を愛し探求する求道者。現場では作品のクオリティを上げるためのアイデアを意欲的に提案。その結果「キャラクターに想定外の深みが出た」と監督を喜ばせた。


山本優子役/沙倉ゆうの
未来映画社製作「拳銃と目玉焼」では薄幸のヒロイン、「ごはん」では主役を演じる。
米作り農家を描いた「ごはん」では2017年の公開まで4年、以降地方のホール等で公開が連続38ヵ月続く間を含め、のべ7年以上も行われた追撮に参加。その間、変わらぬ若さに皆が驚いた。
本作では劇中で助監督優子役を演じつつ、実際の撮影でも助監督、制作、小道具などスタッフとしても八面六臂の活躍。
現在は東映京都俳優部に所属し、テレビ、映画で目にする機会が増えている。
殺陣師関本役/峰 蘭太郎
1964年16歳で故・大川橋蔵に弟子入り、TV俳優デビュー。
東映京都撮影所・専属演技者となって「斬られ役」として活躍する傍ら《殺陣技術集団・東映剣会》の役員・会長を歴任。
近年の出演作は映画「せかいのおきく」「多十郎殉愛記」「太秦ライムライト」他。所作指導としての参加も多い。
本作では逝去した福本清三さんに代わり、殺陣師役として白羽の矢が立った。
出演を快諾後、福本さんの墓前にて「先生の代役をつとめさせて頂きます」と報告、いぶし銀の演技で存在感を放つ。


住職の妻節子役/紅 萬子
関西演劇界トップクラスの役者。
テレビ、映画の活躍も多くBS時代劇「雲霧仁左衛門」ではレギュラー出演。
「説明ぜりふ」をそれと気づかせない演技力は特筆に値する。
「関西のおばはんをやらせたら絶品」と監督の信頼が厚い。
面倒見のよい姉御肌の人。

西経寺住職役/福田善晴
関西でテレビ、映画に活躍後、一時俳優の仕事を離れる。
しかし情熱止まず再び舞台の世界に。
その後は関西の商業演劇を中心に活躍。
確かな演技力と、味わい深い風貌にも格別の魅力を有す。
研究熱心な努力家であり、本作では見事な顔芸も披露。
